法改正情報

「年収の壁」への対応策について
(令和5年10月)

パート・アルバイトで働く方が年収の壁を意識しないで働けるように、「106万円の壁」「130万円の壁」への制度の見直しが令和5年10月から実施されます。

「106万円の壁」への対応

■キャリアアップ助成金

パート・アルバイトで働く方が新たに厚生年金や健康保険に加入した場合、労働者の手取り収入を減らさないように手当支給や賃上げを行った事業主に対して、労働者1人あたり最大50万円の支援が行われます。

■社会保険適用促進手当

新たに被用者保険適用になった労働者に対し、事業主が給与や賞与とは別に「社会保険適用促進手当」を支給した場合は、本人負担分の保険料相当額を上限として、最大2年間、当該労働者の社会保険の算定に考慮しないことができます。

 「130万円の壁」への対応

■繁忙期の労働時間延長等の一時的な収入変動によって、被扶養者認定基準(年収130万円)を超えてしまっても、直ちに被扶養者認定が取り消されるのではなく、総合的な将来収入の見込みで認定対象であるかを判断されます。
被扶養者認定は、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書で確認されますが、これに加えて、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入変動である皆の事業主の証明を添付することで、迅速な認定が可能となります。

  労働条件の明示事項に新たに4項目追加されます
  (令和6年4月施行予定)

令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます。

労働条件の明示に際し、新たに追加される事項は4つあります。

 全ての労働者に対する明示事項
 1. 就業場所・業務の変更の範囲の明示
  全ての労働契約の締結と有期労働契約の更新のタイミングごとに、「雇入れ直後」の就業場所・業務の内容に加え、これらの「変更の範囲」」についても明示が必要となります。

有期契約労働者に対する明示事項等
 2. 更新上限の明示
  有期労働契約の締結と契約更新のタイミングごとに、更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要になります。
 3. 無期転換の申し込み機会の明示
  「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨(無期転換申込機会)の明示が必要になります。
  具体的に〇年〇月〇日と、いつから無期転換を申し込むことができるようになるかなどを明示します。
 4. 無期転換後の労働条件の明示
  「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の労働条件の条件の明示が必要になります。
 無期転換後の賃金等の労働条件を決定するに当たって、他の通常の労働者(正社員等)とのバランスを考慮した事項について、有期契約労働者に説明するように努めなければなりません。

全国で地域別最低賃金額が引き上げられる予定です。
  
(令和5年10月予定)


令和5年度の地方最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。


令和5年10月1日から順次、47都道府県で地域別最低賃金額が改定される予定です。

都道府県の経済実態に応じ、都道府県を3ランクに分けて、引き上げ額の目安が提示されています。
Aランクは41円、Bランクは40円、Cランクは39円となっています。

(参考)各都道府県に適用される目安のランク

 ランク  都道府県
 A 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
 B 北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨
長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山
広島、山口、徳島、香川、愛媛、静岡
 C 青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

(一部抜粋)令和5年度 地域別最低賃金 答申状況

都道府県名  ランク 目安額 答申された
改定額 
引上げ額
【円】 
目安
差額
発行予定年月日 
 埼玉  A  41 1028(987)  41    2023年10月1日 
 千葉  A 41  1026(984)  42  +1  2023年10月1日 
東京   A 41  1113(1072) 41    2023年10月1日 
神奈川   A 41  1112(1071)  41    2023年10月1日 
新潟   B 40  931(890)  41 
+1 
2023年10月1日 

※( )内の数字は改定前の地域別最低賃金額です
※ 効力発生日は、答申公示後の異議の申出の状況等により変更となる可能性有

例)千葉県 令和5年9月1日 984円 ➡  令和5年10月~ 1026円
  42円(目安差額1円)が引き上げられる予定です。

令和5年度の雇用保険料率が発表されました。(引き上げ)


令和5年度の雇用保険料率は、年度内に2段階で料率の変更が行われます。

◎令和4年10月1日~令和5年3月31日の雇用保険料率

  労働者負担分・事業主負担分ともに変更
 事業の種類   一般の事業  農林水産・
清酒製造の事業
 建設の事業
負担者 
 雇用保険料率
(全体)
 13.5/1000  15.5/1000  16.5/1000
 労働者負担分
(個人)
 5/1000  6/1000  6/1000
  事業主負担分
(事業主)
 8.5/1000  9.5/1000  10.5/1000
◎令和5年4月1日~令和6年3月31日の雇用保険料率
 ⇒労働者負担分・事業主負担分ともに変更
 事業の種類  一般の事業 農林水産・
清酒製造の事業 
 建設の事業
 負担者
 雇用保険料率
(全体)
 15.5/1000 17.5/1000  18.5/1000 
 労働者負担分
(個人)
 6/1000 7/1000  7/1000 
 事業主負担分
(事業主)
 9.5/1000 10.5/1000  11.5/1000 


月60時間超の残業割増賃金率が引き上げられます。
 (令和5年4月1日施行


令和5年4月1日から労働させた時間について、1日8時間・1週40時間を超える労働時間が60時間超になる場合は、大企業、中小企業ともに割増賃金率が50%になります。

   1か月の時間外労働 (1日8時間・1週40時間を超える労働時間)
 60時間以下 60時間超 
 大企業  25%  50%
 中小企業  25% 50%
※中小企業に該当するかは、①または②を満たすかどうかで企業単位で判断されます。
業種 ①資本金の額または出資の総額  ②常時使用する労働者数 
 小売業  5,000万円以下  50人以下
 サービス業  5,000万円以下  100人以下
 卸売業  1億円以下  100人以下
 上記以外のその他の業種  3億円以下  300人以下

育児・介護休業法が改正されます。
(令和4年4月1日・10月1日施行)


令和4年4月1日より、段階的に育児・介護休業法の改正が行われます。

~令和4年4月1日施行~ 

 雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化
  ①育児休業を取得しやすい雇用環境の整備
   … 育児休業に関する研修の実施や相談窓口の設置など

  ②妊娠・出産の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認
   … 育児休業制度等に関する情報の周知や取得の意向確認を個別に行わなくてはなりません。

 ◎有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
   「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件の撤廃

~令和4年10月1日施行~ 


 ◎産後パパ育休(出生時育児休業)の創設
   … 現行の育休制度とは別に取得可能な新設の制度

 ◎育児休業制度の変更
    育休を2回まで分割して取得可能など

 ※詳細は、育児・介護休業法 改正ポイントをご確認ください。

パワハラ防止措置が義務化されます。(令和4年4月1日施行)


令和4年4月1日からは、中小企業においてもパワーハラスメント防止措置が義務化されます。

~事業主が雇用管理上講ずべき主な措置~


 ◎ハラスメントにおける事業主の方針などの明確化および周知・啓発
   … ハラスメントの内容の明確化・対処方針の規定化など

 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
   … 相談窓口の設置など

 職場におけるパワハラに関する事後の迅速かつ適切な対応
   … 再発防止措置の実施など

 ◎併せて講ずべき措置
   …
プライバシー保護の措置不利益な取扱いをされない旨の定めなど


 ※詳細は、人事労務だよりをご確認ください。


平成31年度の雇用保険料率が発表されました。
(平成30年度からの変更はありません)

平成30年度の雇用保険料率が発表されました。
(平成29年度からの変更はありません)

     

平成29年度の雇用保険料率が発表されました。(2年連続引き下げ)


平成28年度の雇用保険料率が発表されました。(引き下げ)


平成27年度の労災保険料率が発表されました。

厚生労働省は19日、労災保険率表および労務費率表を更新し、公表しました。

詳しくはこちら
労災保険率表労務費率表(厚生労働省)

平成27年度の雇用保険料率が発表されました。(H26年度と同じ)


育児休業給付が充実されました。(H26.4.1施行)

育児休業給付の支給率を休業開始後6ヶ月間につき、従来の休業開始時賃金月額の50%から67%へ引き上げられました。
この育児休業給付の給付割合67%への引上げは、平成26 年4 月1 日以降に開始する育児休業から対象となります。
平成26 年3 月31 日までに開始された育児休業は、これまでどおり育児休業の全期間について休業開始前の賃金の50%が支給されます。

平成26年度の雇用保険料率が発表されました。(H25年度と同じ)


平成25年度補正予算成立後より対象地域に7府県(埼玉県、千葉県、静岡県、愛知県、三重県、京都府、兵庫県)が追加されました。千葉県が対象!賃金を引き上げようとしている社長様、この助成金を活用してください。 (2014/2/12発表)

業務改善助成金◆  お問い合わせ ご依頼は

・事業場内の最も低い時間給を、計画的に800円以上に引き上げる中小企業に対して、賃金引上げに資する業務改善を支援

新しい助成金が厚生労働省から発表されました。その名も
「日本再生人材育成支援事業」です。
期間延長!平成25年度末までに受給資格確認認定申請書を提出の上、認定を受け、訓練を開始。

正規雇用労働者育成支援奨励金◆  お問い合わせ ご依頼は


・正規雇用の労働者に対し、職業訓練(Off-JT)を行った場合に、訓練に要した経費を支給
・事業主が負担した訓練費用を、1訓練コースにつき 対象者1人当たり 20万円を上限
1年度一事業所当たりの支給限度額は500万円
 詳細リーフレットは、厚生労働省ホームページをご確認ください。

非正規雇用労働者育成支援奨励金◆  お問い合わせ ご依頼は


・有期契約労働者等に対し、一般職業訓練(Off-JT)または有期実習型訓練(Off-JT+OJT)を行った場合に、賃金および訓練経費について助成
・1訓練コースにつき以下の額を支給します。( )内は大企業の額。
 ●Off-JT分の支給額 賃金助成・・・1人1時間当たり 800円(500円)
          
経費助成・・・1人当たり 30万円(20万円)を上限
 ●OJT分の支給額 実施助成・・・1人1時間当たり 700円(700円)
1年度一事業所当たりの支給限度額は500万円
 詳細リーフレットは、厚生労働省ホームページをご確認ください。 

高年齢者雇用安定法が改正されます。(平成25年4月1日施行)

  1. 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止
    労使協定で定める基準に該当する者を65歳まで継続して雇用する制度を導入している→就業規則の改正が必要
  2. 継続雇用制度の対象者を雇用する企業範囲の拡大
    グループ企業まで拡大する仕組みが設けられた。
  3. 義務違反の企業に対する公表の導入
    勧告を受けても改善されない場合は、勧告に従わなかったこと等の公表を実施(高年齢者雇用安定法第10条第3項を新設
  4. 事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針の根拠が設けられた。
  5. 厚生年金(報酬比例部分)の受給開始年齢に到達した以降の者を対象に、基準を引き続き利用できる12年間(平成37年3月31日まで)の経過措置が設けられました。
※詳細は、厚生労働省ホームページをご確認ください。

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