厚労省 ブラック企業への対策検討

厚労省は通常国会での法案提出に向けた検討内容を明らかにしました。

 それによりますと、ハローワークについて現在「求人の申し込みはすべて受理しなければならない」と規定され、違法性のない限り求人を受理するというものを、過酷な労働や、残業代不払いなどの違法行為を繰り返す企業の新卒求人を受理しない制度を創設する方針を固めたことや、若者の職場定着率向上の為、基準を満たす企業への認定制度や、研修など若者の能力向上のための支援制度の創設するなどを盛り込むとのことです。

未払い残業代求め従業員らがエステサロンを提訴

エステティックサロンの従業員と元従業員の女性2人が10月29日、残業代が支払われていないとして、運営する会社を相手取り、約2年分の残業代計約1015万円の支払いを求める訴訟を起こしました。

訴状などによると、2人は開店準備のために始業時間前に働いたり、タイムカードに終業時刻として打刻した後も翌日の予約確認や掃除などの業務を行ったりするなど月に80時間前後の残業を強いられましたが、時間外割増賃金は支払われなかったとされます。

また、有給休暇を取得した従業員の残業代を勝手に減額したなどとして、労働基準監督署が8月に是正勧告を行っていました。

会社は「訴状が届いていないが、専門家の指導のもと既に残業代を提示しており、回答がないまま提訴に至ったことは残念」としています。

過労自殺訴訟 銀行に1億3000万円の賠償命令

銀行(熊本市)の男性行員(当時40)が自殺したのは、長時間労働によるうつ病が原因だったとして、遺族が銀行に計約1億7000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁(中村心裁判長)は10月17日、長時間労働と自殺の因果関係を認め、銀行に約1億3000万円の支払いを命じました。

判決は「男性の時間外の勤務は、死亡する前の1か月間で200時間を超えていた。長時間の過重な労働により男性はうつ病を発症し、自殺した。銀行は注意義務を怠った。と指摘しました。

男性は2009年4月から本店に勤務し、12年7月以降、社内のシステム更改業務の責任者として月に100時間を超える時間外労働を強いられ、同年10月、本店で投身自殺しました。熊本労働基準監督署は10月上旬、男性はうつ病を発症していたと認定していました。

エステティックサロン社長が従業員に謝罪

エステティックサロンの女性従業員が、労使問題について社長から威圧的な発言を受けたとされる問題で、10月5日に、会社側は不適切発言を認め、従業員らに謝罪したことを公表しました。
従業員が、残業代を減額されたなどの問題を労働基準監督署に内部通報したところ、社長は従業員を飲食店に集め、組合に入った女性を名指しし、組合活動を批判しました。「労働基準法に合わせてたら(会社は)絶対成り立たない」などと発言したそうです。労働組合は不当労働行為として、県労働委員会へ救済を申し立てました。

労基署から是正勧告を受けており、これを受けて労務改善計画の骨子を公表しました。
過去2年間の時間外労働のデータを精査して未払い給与がある場合は支払うことや、休憩時間を確保することなどとしています

「名ばかり専務」パワハラ自殺で労災認定

神奈川県の物流業の元専務で、2011年6月に自殺した男性(当時54)について、労働基準監督署が、パワハラや過労によるうつ病が原因として労災認定したことが9月5日に分かりました。

男性は2009年に専務になりましたが、実態は社長の指示に従って事務作業を行うなど「名ばかり専務」だったといいます。2011年5月に不正経理問題があり、社長からメールで罵られたほか、同年6月になって自殺を図ったことを社長に伝えた際には、包丁を突きつけられ「死ね」などと言われたそうです。男性はその3日後に自殺しました。

男性の手帳からは、自殺前の6か月間に、月100時間を超える残業が3回あったことが分かっています。会社駐車場の車の中で仮眠を取る状況が月2回ほど続いていました。

労働基準監督書は、2011年5月下旬にうつ病を発症したと認定しました。専務の肩書があっても、社長の指揮命令で作業する場合は労働者であると認められたことになります。

「労働条件相談ほっとライン」開設

厚生労働省は2014年8月21日、若者の「使い捨て」が疑われる企業等への取組強化の一環として、

2014年9月1日から、電話相談窓口「労働条件相談ほっとライン」を開設することを発表しました。

委託事業として行われ、平日夜間・土日に、誰でも労働条件に関して、無料で相談できるというものです。匿名での相談も可能です。

違法な時間外労働・過重労働による健康障害・賃金不払残業などの労働基準関係法令に関する問題について、専門知識を持つ相談員が、法令・裁判例などの説明や各関係機関の紹介などを行うとしています。

【フリーダイヤル】0120-811-610 (はい! ろうどう)携帯電話・PHSからも利用可能

診断書・カルテなし 障害厚生年金の支給 認められる

兵庫県の視覚障害のある女性が初診日を証明する診断書やカルテがないことを理由に障害厚生年金の支給申請を却下したのは違法だとして国に却下処分の取り消しを求めた訴訟で、31日、大阪地裁は女性の請求を認め、国に障害厚生年金の支給を命じました。

判決によりますと、1987年1月に女性は進行性の目の難病と診断された後、症状が悪化し、2009年11月に障害年金の申請をしましたが、5年の保管期限が過ぎていたため眼科にカルテが残っておらず、また、1995年の阪神大震災で女性の自宅が半壊したなど、初診日の証明のできる書類を提出できない合理的な理由があった、としています。また、病院に同行した女性の知人の証言や診断した医師の証言などからも、初診日を推認できる、としています

餃子の王将、サービス残業など未払い賃金2億5千万円 労基署の是正指導で社内調査

7月14日、「餃子の王将」を経営する株式会社王将フードサービスは社員とパート従業員計923人に対して、2013年7月~2014年2月の間、2億5500万円の未払い賃金があったことを発表しました。主に店舗の従業員に対して、サービス残業などで適切に賃金が支払われていなかったとのことです。業績への影響は軽微とされ、未払い分については、原則的に15日の給料日に合わせ追加支給されることとなりました。

2013年12月に京都下労働基準監督署から改善を求める行政指導があり、社内調査を進めていました。
株式会社王将フードサービスは「再発防止に努める」としています。

「ブラック企業被害対策弁護団」 違法な長時間労働を巡り、北海道の和食店チェーンを提訴 

違法な長時間労働を強いられたとして、札幌市の30代の男性が22日、北海道に和食店チェーンを展開する会社に対して、未払い残業代や慰謝料など計約930万円の支払いを求め、札幌地裁に提訴しました。

訴状によると、男性は2011年7月からこの飲食店で調理師として働いていましたが、使用者が時間外労働させる際に労働基準法が義務付ける労使協定(三六協定)が結ばれていないにもかかわらず、最長で1日13時間以上勤務させられ、月に300時間以上の労働をさせられたとし、また、男性が疲労で体調を崩し退職を求めると、上司から非難され、精神的苦痛を受けたとしています。男性は体調を崩すなどして2013年9月に退職しました。

原告代理人は、労働法を無視した働き方を強いる「ブラック企業被害対策弁護団北海道ブロック」で、2013年11月の結成以来、企業を提訴するのは初めてとのことです。

 

三六協定については、「残業の限度時間数(基準)を知っていますか。」のブログを参考にしてください。

厚労省が「いっしょに検証!公的年金」ホームページを開設しました!

厚労省は14日、公的年金制度への理解を深めてもらうためのホームページ「いっしょに検証!公的年金」を開設しました。

幅広い世代の人に伝わるようwebマンガを採用、また説明にも多くのイラストを取り入れることで、公的年金制度の意義や仕組み、財政検証の結果などをわかりやすく説明しています。

詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou

マンガなので、読みやすくなかなかいい感じです。